膣全脱の手術
メッシュをもちいた骨盤全体への
テンション・フリー・トータル・メッシュ

Transobturator Approach For Total Repair
With Anterior & Posterior Wall Mesh




骨盤の中の内臓が、大部分がおちてきています。この方の場合も大変難しいケースでした。このような場合は、この出ている中には、膀胱・小腸・直腸・子宮がおちていて、排尿困難・排便困難などをおこします。
このような場合は、泌尿器科的アプローチと、婦人科的アプローチを、同時にかつ交互に手術でしないといけません。とくに、メッシュをもちいた手術は、一見簡単ではありますが、慎重におこないます。

次のように、3段階のアプローチをおこないます。術中、交互にくりかえします。

手術の第一段階: 泌尿器科的アプローチ


Transobturator Approach For Cystocele Repair
With Anterior Wall Mesh
TOT技術をもちいた膀胱全体のメッシュによる補強


    
切込みから、中をはずすように剥離していくことができます。この後、中身をすべて出していくのです。財布をしめつけるように縫うのではなく、おだやかに緊張のないようにします。
その上で、メッシュをいれます。写真は、メッシュをあてているところです。
脱メッシュを挿入することにより、膣前壁全体を補強することが可能になります。メッシュは、TOTの技術により固定します


必要におうじて、腹腔鏡での補強を検討します。ほとんどのケースで、腹腔鏡は必要ありません。

泌尿器科医ですから、この行為により尿道の位置関係を内視鏡で確認します。その効果で、術後、排尿がかなりスムーズになっていきます。

手術の第二段階: 婦人科的アプローチ



Posterior IVS (Intravaginal Slingplasty)
膣後方へのテープによる仙骨子宮靭帯の再建

後方へは、メッシュをもちいてIVSをしながらのアプローチになります。これは、仙棘靭帯という靭帯を利用して、メッシュを固定するのです

これは、メッシュをいれおわった様子です。このように大きく出ていた膣はもとにもどることができます


手術の第三段階; 肛門科的なアプローチ



肛門鏡をもちいて確認して、排便がスムーズにおこなうことができることをみます。

手術の終了
このようにして、TOTで膀胱の方を
IVSで小腸・子宮・直腸を
ささえるようにします
そのささえは、できるだけテンションのないやわらかい方法にします。
手術直後の写真です。ゆるやかにもどすことに成功しています



この方法については、論文にのせています
腎と透析 2006年増刊号 61巻 です


2006年10月までに、このような重症の性器脱手術にて
テンション・フリー・トータル・メッシュによるアプローチ
2005年 2人
2006年 12人(10月までで)
平均年齢 72歳(56歳から90歳まで)
平均出血量 90ml(12mlから120mlまで)
平均手術時間 180分



奥井識仁 @ 泌尿器科専門医・指導医(女性泌尿器科専門医)